思考が理解を妨げ空間が理解をもたらす

私達は物理的にも精神的にも、成長する為に空間を必要とします

草木が育つには一定の空間が必要だし、家は空間なしには
その機能をはたさないように、
私達が成長するのにも空間が必要です。

田舎より都心で恐ろしい事件が多いのも、
空間の欠如により暴力性が生まれることが
一つの要因ではないでしょうか？

人間関係においても私とあなたの間に空間がなければ

お互いを見ることができません

では、私達の頭の中はどうでしょう？

頭の中に空間はありますか？

自らの経験、沢山の知識、大きな野望・欲望、怒りや憎しみや嫉妬、
葛藤や不安や恐れで常に占領されてはいませんか？　


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私達がこれらで一杯の時、重いバックパックを背負って
疲れた旅人のように、遠くまで旅することはできません。

これらで一杯の時、私達は他者との間に壁を築きます。

なぜならこれらで一杯の時、私達は常に自分のことを
考えているからです。

自分の経験、自分の失敗、自分の野心、自分の成功、
自分のお金、自分の所有物、自分の恋人、自分の家族、
自分の快楽、自分の悲しみ、自分の国、自分の属する宗教、
自分のイデオロギー、自分が支持する政党、自分の理想、
自分の目標 etc....


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　　　　　ナッシングネス/空っぽと思考




これらのもので一杯のとき、他者との間には必ず分離が生じ
そこに関係は存在しません。

あなたは何としても、これに反論して認めないかもしれません。

しかしもしあなたが、自分のことで一杯の時、
そこに関係はあるでしょうか？

あるのだとしたら、それは利用関係ではないでしょうか？
　
それぞれが自分の損得を考えて、
付き合う関係ではないでしょうか？

『○○と付き合っておいても損はない、△△は能力も金もない
　から使えない、□□はタイプじゃないけど寂しいから
　一緒にいよう』

このように考えてつながっている関係を、
果たして関係と呼べるのでしょうか？

重たい荷物が他者との間に分離を生み、

より一層利己的により一層孤独にする

あなたは夢を実現し十分なお金を手にし、
行きたい場所ややりたいことを何でもできるかもしれません。

しかしそれでも、成功がもたらす孤独からは逃げることはできません。

私達が利己的な思考の性質をしっかりと見る時、
その洞察が思考をそのふさわしい場所に置きます。

つまり、思考はそれが必要な時にだけ働きます。

その時にのみ、あなたの中に空間は生まれ起こる出来事、
話している相手、自然や動物とリアルに関わり合い、
理解することができるのではないでしょうか？

空間なしに、何かをそのままに観察することはできません。

空間なしでは大事な人を理解することも、
自分自身を理解することもできません。




あなたが背負っている重たい荷物をすべて引っ張り出して、
中身を調べてみて下さい。

そして日々、あなたがどのように他者と関わっているのか
を調べてみて下さい。

思考がどのように働いているのか、観察して下さい。

そうしなければ、私達は思考に常に囚われてしまいます。

すべてのものを、過去という思考の色眼鏡を通してしか、
見ることはできません。

思考を理解しその限界を理解しなければ、
私達は誰とも何とも繋がることはできないのです。



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