言葉を操る or 言葉に操られる?

2021/08/02更新


人とコミュニケーションをとるのに
言葉はたしかに役に立ちます

自分の思いを様々な言葉を用いて
伝えることができるのですから
言葉は非常に便利です

しかしマイナス面もあります

それは…

言葉はある結論やイメージへ誘導するからです

特定の言葉が私たちに
特定の行動をとるよう強いるなら
私たちは言葉に支配されている
ことになります

人は言葉に操られるか操るかのどちらかですが
残念なことに殆どの人が言葉に操られて
いるのが現状です

言葉に支配されていると指摘されると
否定したくなる気持ちはわかりますが
その気持ちはひとまず脇に置いて
言葉がどのように作用するか見ていきましょう

この記事を読み終わる頃には
どうすれば言葉の影響を受けずに
言葉の正確な意味を捉えることが
できるかわかるようになっています

特定の言葉が特定の感情を呼び起こす

『死』『病気』という言葉を聞いただけで
急に恐怖や不安な気持ちがしてきませんか？

これは殆どの人がこれらの言葉に
否定的なイメージを持っているからです

否定的なイメージを持っているから
その言葉を耳にすると恐ろしく
なったり不安になったりするのです

あなたはどうですか？
これらの言葉に反応しましたか？

もし何となく心地悪くなったとしたら
あなたもまた多くの人がそうであるように
言葉に感情が引っぱられています

態度や行動は言葉のイメージに影響される

もうひとつ例を挙げます

『ドイツ人』『フランス人』という言葉から
人はある特定のイメージを連想します

厳格なドイツ人、倹約家であるドイツ人
プライドが高いフランス人、
お洒落なフランス人..というように…

上記のようなイメージを持っていても
おそらく不快な感情は生じませんが
差別主義者が多いというイメージを
あなたがドイツ人に持っている場合
嫌悪感といった嫌な感情が生じて
しまうのでよくありません

なぜよくないかと言うと…

目の前にいる人物を
ドイツ人というレッテルなしに
見れないのでありのままの彼を
理解はできないからです

言葉に対してあなたが持つイメージに
振り回されて態度や行動を決定する
あなたは確実に言葉に支配されています

どんなものでもイメージを持つかぎり
その人の行動はイメージ色に染まって
しまうのです

※『偏見について』

言葉を感傷的に受け取らない

言葉によって思考や態度、行動が
決定されてしまうことが理解できましたか？

この怖さを理解されましたか？

もしあなたが言葉に支配されて
いることを実感したなら
今後は言葉の持つイメージに
振り回されないで言葉の正確な
意味だけを捉えることでしょう

自分が特定の言葉に反応するときには
その言葉の持つイメージに
反応しているだけだと気づいた
あなたは言葉を感傷的に
受け取ることもなくなります

言葉の持つイメージに
振り回されないために大切なことは
イメージを持つことの危険に
気づくことなので引き続き
言葉がどのように作用するか
見ていきましょう

言葉が行動に制限をかける

私が「仏教」という言葉に囚われていると
これらの言葉が私の行動を支配します

どういうことかと言うと…

仏教徒について自分が持っている
イメージに沿って私は行動します

つまりある特定のパターン内に
私の行動は制限されることになります

つまり仏教徒として恥じない行動に
制限されます

しかしもし私が…

「仏教」という柱に繋がれていない
～宗教という枠から自由な～ときには
私の行動にストップをかけるものは
何1つありません

このときのみ全体的な行動がとれます

全体的とは仏教徒という
部分から行動するのではなくて
人間として行動することを意味します

【全体的な行動】について関心がある方は
コチラ↓を併せてお読みください

※『全体的 vs.部分的な活動』
　『秩序正しい全体的な行為』

コミュニケーションをとる

言葉は感傷的・感情的ではなく
言葉の意味とその深遠さを
伝えるために用いましょう

そうすることで言葉に余計な感情や
イメージが乗っかっていないので
相手とダイレクトにシンプルに
コミュニケーションがとれます

両者ともに言葉に心理的に反応することなく
言葉の意味を理解して言葉を発する
相手を理解することができます

心理的に反応するってどういうこと？

あなたが仏教徒だとします
仏教徒のあなたに私は言います

「どのようなものであっても
　宗教団体に属することは
　他の団体に属する人との
　間に壁を築いてしまうので必ず衝突します
　だからもし世界平和を望むなら
　どんな宗教団体にも属することは
　できないことを骨の髄まで理解しましょう」

仏教に傾倒しているあなたは
この言葉にひどく反応しませんか？

この反応が言葉に心理的な反応する
ということです

あなたは私に攻撃されているように
感じるかもしれません

ここで攻撃されたと感じる理由は
仏教という言葉とあなたが
一体化しているからです

つまり仏教とあなたは同一人物なのです

だから仏教を含む宗教について
悪く言われるとあなたは傷つきます

言葉に心理的に反応するということが
これでおわかりいただけたでしょうか？

言葉は理解を妨げる

信じているものを否定されたと感じて
あなたは心のシャッターを降ろすので
私の言葉にそれ以上耳を傾けることも
その言葉の背後にある想いを
汲み取ることもできません

このように【言葉】は【理解】を妨げます

言葉のイメージに囚われることによって
相手がどのような想いで言葉を発したか
推し量ることすらできなくなります

あなたがもし、私の言葉の深遠さを
理解することなく表面上の言葉だけを
拾うとすれば宗教組織全体を退けようと
する私を嫌悪するかもしれません

こうして言葉に心理的に反応すると
あなたは私のことを理解できなくなります

なぜ理解できなくなるかというと…

私の放った〈言葉〉に心理的に反応したあなたは
私との間に壁を築き上げます

そしてひとたび壁が出来上がると
壁の向こうにいる私を
見ることすらできないので
理解なんてさらさらできません

注意深くご覧ください

私の放った〈言葉〉があなたの態度/行動を
決定したことがわかりますか？

このように言葉は相互理解を阻むのです

※『イメージが人間関係を阻む』

言葉に支配される

多くの人は言葉に支配されています

特定の言葉に感情を乗っけるからです

このとき言葉はあなたそのものになります

繰り返しになりますがあなたが
仏教という〈言葉〉に敏感なのは
仏教と一体化しているからです

仏教を悪く言われることは
自分を批判されることだから
不快になるのです

一体化するということ

私たちは人とも容易に一体化します

お気に入りのスポーツ選手やチームと
一体化します

好きな芸能人について悪く言われると
イラっとしませんか？

イラっとするのはあなたが
彼らと一体化しているからです

自分のことを言われた感じがして
ひどく気分が悪いのです

この場合お気に入りのスポーツ選手・団体・
芸能人があなた自身となっているのです

※『一体化について』

特定の言葉に反応してないか注意する

感傷的・感情的に言葉を用いるのではなく
伝えたいことを伝えるために言葉は使いましょう

また自分が言葉に反応していないか
絶えず注意しましょう！

なぜ注意することが大切なのかというと

言葉に反応している自分に気づくと
その瞬間に反応は消えてなくなり
言葉に影響されなくなるからです

言葉に気持ちが動く瞬間を見つめることが
言葉の影響されない秘訣なのです

こうして言葉のイメージに
左右されなくなってはじめて
相手の話を聴けるようになり
理解できるようになるので
自分が言葉に反応していないか
絶えず注意を払うことは非常に大切です

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