知識・経験・結論を手放して「わからない」から始めよう

わからないって大事なこと

「わからないって大事なことですよね、
　だってそれはとことんわかろうとすることだから」

ドラマ「イノセンス　冤罪弁護士」の最終話を観ていたら
弁護士役の川口春奈さんがこのように言っていました

「わからない」から始めることは本当に大切です

わからないときには理解しようという情熱がありますが
「理解している」と思い込んでいるものには
情熱をもって取り組むことはできないですからね

※『情熱・関心が観察するには不可欠である』

あらゆることについての答えを持っていますか？

殆どの人が「わからない」から始めようとしません

私たちはまるであらゆることについての答えを
もっているかのようにふるまいます

人に何かを聞かれるとすぐに何らかの答えを
出そうするし自分の見解を述べます

名前や住所を聞かれたら勿論即答できますが
家族や友人が抱えている深刻な悩みに対しても
コンピューターのように自分の知識や経験から
正しいと思われる答えを人は弾き出すのです

※『知識の限界』
　『心理的知識の危険を見て一掃する』

殆どの人が知識や経験で未知を解決しようとする

どんなに深い知識や経験があろうとそれは既に終わったことであり
過去に限定されたものだというのに人は大切な人の悩みや
自分の悩みそして世界の問題を自分という個人に
限定された知識や経験で解決しようとします

知識や経験から答えを導きだそうとするかわりに
なぜ「わからないから一緒に調べよう」と言わないのでしょう？

友達の悩みは当人にとってだけじゃなく
あなたにとっても初めて出会うものです

色んなことを経験していたとしても
友人の悩みはあなたにとっても未知のものです

なのにあなたはいつも自分の経験や知識から
自信をもって物を言います

友達の悩みを自分の知識で解決しようとします

そうすることは過去というものさしで現在を
計ることと同じ愚かな行為なのに....

こんなことをしていてはあなたは物事の本質を
捉えることはできません

というのはあなたの観察は過去に染まっているので
現在をあるがままに見つめていないからです

正しく見つめられてもいないのに
本質を捉えることなんてできませんから..

※『正しい行動は正しい観察から生まれる』

過去というレンズ越しでは物事の本質は捉えられない

過去と現在の状況がピッタリ同じということは
あり得ないので過去というものさしで
現在を計るとそこに必ずズレが生じます

殆どの人はこのことを理解してないので
経験や知識でどんなことも解決できると
思い込んでいて必死に過去という
レンズ越しに現在を見ています

しかしそれでは今起きていることをあるがままに
見つめられず従って理解することもできません

つまり物事の本質は掴めないのです

※『刻々と変化する生とパターン化した心』
　『矛盾だらけの行動 vs. 後悔しない正しい行動』

結論に達すると問いに対する興味・情熱を失う

私たちは自らの思考を問うことも疑うこともなく
思考が正しいと信じる結論に達して満足しています

しかし...

「わからない・知らない」からスタートするときだけ
問題をしっかりと見つめることができるし
答えを見出したい、理解したいという情熱や
関心が生まれるのです

この情熱が問題を解消するには必要です

しかし結論に自信満々なときや指導者や専門家の
アドバイスに従っているときには問いを調べることはできません

ゲームでレベル１をクリアしたら、
あなたの興味はレベル２に移りませんか？　

それともクリアしてもレベル1に関心を持てますか？　

始めてプレイしたときのワクワク感がありますか？

※『結論に至ってはいけない理由』
　『思い込み・先入観・偏見をなくす』

鋭い精神だけが答えを見出すことができる

わからないフリではなく本当に「わからない」から始めるとき
精神は敏感でどんなに小さな声も聞き漏らさないし
感情の微妙な変化にも敏感です

そのように鋭敏な精神だけが偏見や結論に染まることなく
問題や悩みの本質を理解することができます

鋭敏な精神だけが未知なるものを発見できるのです

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