心理的知識の危険を見て一掃する

2019/06/06

関係 気づき 観察 思考 実践 動機 欲望 願望 方法 模倣

t f B! P L







質問者:心理的な知識が理解を阻むということは、
    ブログを通して頭では理解したつもりですが、
    実生活に生かせていません。

    苦手な人と接するときは今でも、
    自分がもっている相手のイメージが座して、
    動かないのがわかるし、
    それがバリアになって相手を理解するどころか
    もっと嫌いになっています。


筆者 :心理的な知識を蓄積することの危険を
    見て行きましょう。

    自分自身を理解するためには、
    知識から自由でなければなりません。


質問者:でもあなたは自己理解の、
    必要性・緊急性について
    以前話されませんでしたか?


筆者 :はい、自己理解は必要ですが、
    自己理解は知識を蓄えることではありません。

    自分についての知識を蓄えることは、
    必要でしょうか?

    人はいつも同じではありません。
    あなたは昨日のあなたではありません。
    
    昨日のあなたを理解したからといって、
    今日のあなたを理解しなくてよい、
    というわけではないのです。

    自己理解とは刻々に変わりゆく、
    自分自身を理解することです。

    刻々の理解を知識として、
    積み上げることではありません。

    生まれては消えていく感情を、
    見つめることです。

    他者に対する自分の反応を、
    刻々と知ることです。

    そのためには昨日の知識は必要ありません。

    というか昨日の知識を携えていたら、
    自分自身についても他者についても、
    学ぶことはできません。

    瞬間瞬間を観察することによって、
    私たちは学ぶことができるのです。


    ※ 自己理解は自己観察によって生まれる




質問者:生きているものに対する、
    完全な知識はないということですね。

筆者 :はい、その通りです。
    
    自分についての意見やイメージ、
    偏見をもっていては、
    私は自分のことを歪みなく、
    観察することはできません。

    私の観察は偏見や意見、イメージの色に、
    染まるからです。

    心理学や哲学書の知識についても同様です。

    誰かの知識に色付けられた観察が、
    ありのままの物事を映し出すことはありません。
    
    知識は物事をすぐ概念に変えてしまい、
    人は概念から行動するようになります。
    
    知識から行動するとは、
    現在に過去を持ち越すということです。

    人にヒドいことを言われると、
    あなたは反射的にイラっとします。

    このリアクションもまた、
    あなたの過去の知識に基づいています。

    知識が相手を「ひどい奴だ」と判断し、
    あなたはそれに反応するのです。

    心理的知識に基づいて行動するかぎり、
    行動は過去のパターンから、
    逃れられません。

    過去のパターンは日々更新されますが
    更新されたパターンもまた、
    過去に基づいているのです。

    つまり知識に基づいて行動するかぎり、
    私たちはずっと過去に支配される、
    というわけです。




質問者:どうしたら心理的知識から、
    自由になれるのですか?


筆者 :どのようにしたらという質問自体が、
    方法を求めており、
    方法は知識に基づいているので、
    あなたはまたもや方法を知識として得よう
    と目論んでおり、それでは一向に知識から、
    自由になることはできません。


質問者:瞑想法によっては、
    思考から自由になれないのと同じですね。

 
    ※ 瞑想法を疑う、調べる:瞑想に方法は存在しない




筆者 :どのような願望・動機も、
    知識の異なる側面であるので、
    願望や動機から求めても
    知識から自由になることはできません。


質問者:ではどうすればいいのですか?
 
    あなたは私を動けなくしています。

    過去に染まらない目で物事を観察しなければ、
    私は過去を引きずって、
    生きていくことになります

    現在にではなく、
    過去に生きることになります

    私には何もできないというのですか?


筆者 :そうではありません。

    知識は巧妙に働くので騙されないように、
    知識について慎重に、
    調べていただきたいのです。


質問者:わかりました。

    私は方法を尋ねません。
    訊ねた瞬間、知識に取り込まれてしまうからです。

    願望・動機自体が知識の別の姿だと理解したので、
    心理的知識から自由になりたいという、
    願望・動機を落としました。




筆者 :あなたの思考は、いま動揺しています。

    思考は忙しく動くことで、
    生きることができるわけですが、
    あなたにその正体を悟られると、
    自由に動けなくなってしまうため、
    思考は恐れているのです。

    あなたが思考の構造に気づきさえしなければ、
    思考はこれまで通り自由奔放に、
    動くことができるからです。

    しかし思考が自由を阻むことに気づいたあなたは、
    以前のように思考の言いなりにはなりません。

    あなたは思考の動きに非常に敏感です。




質問者:さっき私がイラっとしたのはそういうことですね。
    どうしたらいいのかわからず、
    あなたに当たりましたが
    それこそが思考の叫びだったわけですね。


筆者 :思考はこれまでのように自由には動けません。

    動いているうちは物事を観察できないし、
    理解がないことが、今のあなたには、
    わかるからです。

    思考は静止します。

    このときあなたは苦手な相手を、
    ありのままに観察することができます。

    なぜなら思考が静かだからです。

    私が話していることも、
    あなたは思考を挟まずに聴いて、
    理解することができます。




質問者:しかしそれは束の間で、
    思考はすぐに戻ってきます。

筆者 :はい。しかしあなたは、
    思考を静める方法を求めません。

質問者:方法は知識に基づいていること、
    知識は過去に基づいていることを、
    理解したので方法を求めません。

筆者 :思考の静止した状態を、
    また味わいたいと願うこともありません。

質問者:はい、願望は知識の別の姿に、
    他ならないですからね。




筆者 :あなたにできることは一つだけ!
    あらゆることを注視することです。

    苦手な相手の話に、あなたの全てを傾けます。


質問者:注視することで、思考は止むのですね。
   
    思考が止むので過去の心理的記憶も止むのですね?

    だから記憶というフィルターなしに、
    ありのままに見ることができると....


筆者 :はい。注視しているときあなたの中心の、
    「わたし」は消えます。

    相手の話を注視するとき「わたし」は止みます。

    壮大な山を前にしたとき、
    あなたの中心の「わたし」は消えますよね?

    このとき一瞬ですが、
    あなたは悩みから解放されます。

    強烈な美しさが、
    「あなた」を吸い取るからです。

    息をのむような美しさに出会うと、
    あなたの自我・中心は消えます。

    落ち着きのない子供にオモチャを与えると、
    子供が驚くほど静かになるのは、
    オモチャが彼の落ち着きのなさを、
    吸い取るからです。



    ですから相手が何を話していても、
    内容はあまり問題ではないのです。w

    相手の話をあなたの全部で聴くことが、重要です。

    その全的な気づきにより、
    思考は止みます。

    こうしてあなたが人や物事を、
    理解するのを妨げていた心理的記憶を、
    あなたは落とすことができまです。

    注視についての関連記事

    聴く・注視する
    気づき・アテンション
    観察すると根本的に変わる
    注視とは現在〈いま〉にとどまること


    思考から自由になる

    知識の正体
    ナッシングネス・空っぽと思考
    思考から自由な理性的・全体的行為
    思考の音楽・おしゃべりに耳を傾ける
    思考が理解を妨げ空間が理解をもたらす

 ☆☆

 相談を承っております

 詳細はこちらをご覧ください
 →オンライン相談について     

このブログを検索

自己紹介

自分の写真
真理探究に15年を費やした後あらゆる修行・規律・イデオロギーは不毛であると気づく。以来感覚だけを頼りに思考と感情を刻々と観察しながら自己について学んでいる

問い合わせ

名前

メール *

メッセージ *

QooQ