一つのことに秀でると精神は限定される

特定の分野に秀でた人を称賛する人の、なんと多いことか！

政治、経済、医学、法律、化学、技術、芸術、スポーツなど、
特定の分野に詳しい人・優れている人々を、
私たちは称えます。

しかしこれらの分野は生のほんの一部であり、
生はもっと奥深いものです。

特定の分野に秀でているということは、
その人は限定されていて偏りがあり、
アンバランスだということです。

何かに特化しているということは肉体のある部分だけを
鍛えて筋肉が盛り上がっているようなもので
人生を全体的に生きているとは言えません

対象が何であれ特定の対象に向かう精神は
全体的ではありません

興味がある対象に向かうとき、
全体的に気付いていることはできないからです。

全体的に気付いているとは

全体的な気づきとは自然の美しさ、鳥のさえずり、
木々の美しさ、雨の日の草花の匂い、花の香り、
愛する人の心の移り変わり、通りすがりの人の顔の美しさ、
醜さ、都心の騒音、自分の感情、他の人の態度や行動など、
あなたが触れるもの全てに気づいていることです。

生の全体に気づいているということは、
３６０度全方向に気づいていることです。

この気づきは何にも限定されません

嫌なことにも隣の耳障りな音楽にも美しいものにも、
360度開いています。

360度全方向に気づいています。

限定され偏りのある気づき

私たちの普段の気づきは、限定され偏っています。

何かに限定されている精神とは、
例えるなら100メートルを全力疾走している人です。

彼はゴールに向かって一目散に走ります。

いかに早く走るか、どれだけタイムを縮めるかに、
意識は注がれているので、それ以外のことは気づきません。

一つのことに意識を向けることによって、
彼はそれ他の生の美しさを人生から締め出してしまったのです。

興味のある分野に特化するということは
あなたの注意がある方向に向かう状態であり、
それ以外の生の美しさを見落としてしまうのです

ある方向に意識が向かうと..

あなたが街を歩いているとき、
正しい歩き方にこだわっていたら、
道行く人の表情や街の音や自然の息吹に、
気付くことはできません。

あなたが赤い色の車に関心があるとき、
赤以外の車に十分に気づくことはできません。

自分の悩みでいっぱいのとき、
友達の気持ちに敏感ではありません。

全体的な気づき

全体的に気づいているとき、
あなたは利己的ではあり得ません。

ある方向に意識が向いていないということは、
あなたの中のボスが静かだということです。

ボスが興味の対象を追いかけていないときのみ、
あなたは全体的に気づくことができます。

あなたのボスとはズバリ思考です。

思考が静かなとき、全体的に気づくことができるのです。

ボスがわがまま放題に動き回っていないときには、
ボスの本質である利己性は静かなので、
全体的に気づいていることができます。

だから何？と言われそうですが（笑）....

あらゆる苦しみ、あらゆる悲しみ、あらゆる争い、
の根源である利己性が静止していれば
人は苦しみ・悲しみ・争いから自由に
生きることができるので
全体的な気づきは大切なのです

関連記事

聴く・注視する
気づき・アテンション
気づき・アウェアネスの大切さ
自己・自我が止むとき美は現れる
どうか専門家にならないで下さい
エゴを落とすと誰とも対立・衝突しない行為がとれる
思考が「エネルギー不足」「優しさの欠如」「無関心」の原因

☆☆

相談を承っております

詳細はこちらをご覧ください
→オンライン相談について