コンパスで円を描くとき
中心点を針で刺しますよね？
コンパスの針で刺した中心点が
私やあなたがいつも大事にしている「わたし」です
この「わたし」は自我・自己・セルフです
・『自我の中身』
人はいつもこの中心から考えます
私の幸せ 私の願望 私の人生 私のお金 私の夫
私の家族 私の悲しみ 私の悩み 私の苦しみ
私の楽しみ 私の野心 私の気持ち 私の趣味
私の憎しみ 私の仕事 私の地位 私の所有物
私の興味 私の車 私の宝石 私の容姿 ...
コンパスで描いた円がどんなに大きくても
「わたし」という中心が存在するかぎり
人の行動はどのような行動も利己的です
・『利己的な行為』
円がとても小さい人は
自分のことしか考えていないので
彼/彼女の行動範囲は狭いでしょう
この円が少し大きくなると彼/彼女は
自分の家族や自分が属するコミュニティー
組織のことを考えて行動します
円がもっと大きくなると彼/彼女の関心は
組織から国へと拡大されそれはもっと大きくなって
東洋や西洋になるかもしれません
しかしどの円も「わたし」という中心があり
それを中心にして円が出来上がります
しかし......
中心がなければどうでしょう？
「わたし」という中心がなければ行動はどうなるでしょう？
「わたし」という自我を落としたら
あなたの行動はどのように変化するでしょうか？
中心点の「わたし」がいないと
コンパスの針を真ん中に刺すことができません
そして刺せないので円は描けません
つまり中心が不在のとき円は描けないのです
円が描けないとき、円の内と外を分ける線はありません
境界がないということはどういうことですか？
私やあなたの心に制限がないということです
私やあなたをきっちりくっきり
分けている壁がないということです
これがどういうことを意味するかわかりますか？
私とあなたを分けているのは私たちの行動を決定している
「わたし・自己・自我」だということです
・『分離という迷妄』
この中心を落とすとどうなりますか？
そしてそれは何を意味するでしょう？
中心を落としたあなたは
「私の家族 私の幸せ 私の悲しみ 私の財産」とは言いません
これまでのようにひっきりなしに自分のことを
考えたりしません
「私の家族 私の幸せ 私の悲しみ」と言うとき
あなたは他の人との間に壁を築きますが
あなたの心が「自己」に制限されないとき
あなたは特定の位置や立場から物事を見ることはありません
視界に制限がないのであなたの観察は全体的であり
よって事実を見ることができます
あなたの関心は太陽のように全方向に開いているので
全体的であり他者の関心を締め出すことも
対立することもありません
自分の損得や保身に基づいた行動や
家族や国、属する宗教にとっての
損得に基づいた行動のように
何かに制限されたりしません
したがってあなたの行動は他の誰とも対立しません
行動が利己的になることもありません
なぜなら「わたし」という中心から
あなたは決して行動しないからです
あなたは「わたし」という中心を落としたからです
「自己」が世界に見られる争いの根源であることを理解すると
その理解が自己を一掃します
このときあなたの心・あなたの行動は空のように無限であるので
何かor誰かとぶつかることはないのです
・『全体的な行動』
「わたし」という中心から生まれるのではない
行動は利己的ではなく全体的なので
地球全体・人類全体を丸ごと包みこみます
「わたし」という中心を落とした
あなたの心から慈しみや優しさ、愛が泉のように湧き出てきます
その慈しみ・優しさ・愛が
特定の人だけにとどまることはありません
空気がどのような空間にも入り込むように
優しさ・慈しみ・愛は全人類を包みこむからです
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