全体性・ホールネス vs. 部分的な活動

2019/06/08

愛 真理 自由 秩序 思考 動機 欲望 願望 利己的な私

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私たちの関心は一定の方向に向いている


私たちの関心はいつもある一定の方向に向いており、
他方向には無関心です。

殆どの活動家もそうですが、
私たちは自分が強く共感することには関わりますが、
それ以外のことには無関心です。

私たちは自分のアンテナに触れるものとだけ関わります。


例を挙げましょう。

・性差別反対運動
・女性解放運動
・人種差別反対運動
・反戦争
・反核
・反原発
・環境保護運動
・動物愛護
・○○被害者の会
・選挙運動の応援
・貧しい国への奉仕活動
・ボランティア活動
・デモ

部分的な行為をよく観察しよう


これらの活動を、否定しているわけではありません。

しかしよく見てください。

どの活動も一定方向への運動で
その活動は全体的ではありません

例えるなら精力的に動き回るのは10度だけで、
残り90度の方向には無関心です。


部分的な活動は、例えるなら受刑者が自由を求めて
刑務所内をウロウロしているようなものです。

自由を求めて動いてはいますが、
相変わらず刑務所にいて彼は自由ではありません。

自由を求めるなら、
自由を阻んでいるものを取り払わねばなりません

戦争反対を願って活動したとしても、
あなたの内部に攻撃性・暴力性・自己中心性が潜んでいる限り、
戦争はなくなりません。

戦争の元凶を内部に秘めたまま社会を変えようとしても、
世界の争いは終わりません。

人種差別反対運動をして何らかの成果をあげても、
分離の元凶である意見や信念・思想をあなたがもっていては、
世界の差別は決してなくなりません。


動機や目的、願望のある行為は他とぶつかる


社会の流れに対する反発から生まれる行為はすべて、
社会の領域内にありますので、
その行為が自由をもたらすことはありません。

原因から生じる行為は、
因果のパターンから出ることはありません。

原因があり行動が生まれる → 結果が別の原因となる

反動から生まれる行動をとるかぎり、
私たちは因果のパターンを繰り返すのです。

部分的行為は、新たな問題を生む原因となるのです。

どんなに崇高な活動でもそれが部分的である以上、
必ず分離・対立を生みます

だから私たちには全体的な行為が必要なのです。

関連記事:エゴを落とすと誰とも対立・衝突しない行為がとれる


>全体的な行動とは?


動機や願望から自由な、全体的な行為が必要です。

反発では決してない行為が必要です。

その行為は、あなたが快感を得るためのもの
ではありません。

その行為は、あなたが善い人間になるための
手段ではありません。

ただ必要だから、正しいことだから行います
そこには理由も目的も存在しません

関連記事:動機や願望のない自由な観察


全体的な行為は他の活動とぶつからない


何が得られるか、どんなインパクトを社会に与えられるか
などと考えて行動しません。

全体的な行為は損益や快・不快から、完全に独立しています

完全に独立した行為は、他の活動の影響を受けないので
誰ともどの活動とも対立しません。

全体的な視野で物事を見て、必要なことを行います。


私たちが行っている活動をよく調べよう


☑ 性差別反対を訴えながら、
  あなたは意見・信念・思想を大事にしていませんか?

☑ 環境破壊に心を痛めて環境保護活動をしているのに
  動物の犠牲の上に成り立つ食事を摂っていませんか?

食を通して環境破壊・動物の痛みに加担するのは、
  同じ暴力ではありませんか?

☑ ペットの殺処分反対運動を行いながら、
  あなたの食事に動物の命を奪ったものはありませんか?

☑ 戦争反対を訴えつつ、
  戦争の根源である攻撃性・利己性を内部に秘めてませんか?




私たちが全体的に物事を見るとき、
行動が部分的になることはありません


私たちが全体的に見るとき
鋭い刃は自らの内部にも容赦なく向かいます

社会の混乱の原因が、内部にないか深く調べます。

私たち自身が混乱したまま、
社会に秩序をもたらすことはできません。

社会に起こることは、私たちの内部にまず起こります。

私たちの内部が貪欲で利己的で攻撃的なら、
私たちは同じものを社会に生み出すのです。


全体的行動の必要性・緊急性を実感しよう


全体的な行動をとりましょう。

対立を生まない行為には、それ自体に秩序があります。

100人、いや10人が秩序ある行為をとるなら
全体の意識はガラリと変わるでしょう

関連記事:変わりたいのに変われない理由は利己性にある



トルストイは言いました。
 「この世に屠殺場があるかぎり戦場はなくならない」

私はこのように言いたい!
 私たちの内部に攻撃性・暴力性・利己性があるかぎり、
 戦争はなくならない。

 ・自分の喜びを奪うものには耳を傾けない
 ・自分の習慣を脅かすものは閉め出す
 ・満足を与えてくれるものに耳を傾け考慮する
 ・一生を全うすることのない動物の悲鳴を知ろうとしない


あなたの内部の利己性を見つめましょう


自分の快感・喜びを常に最優先にする利己性を手放さなければ、
世界の争いはなくなりません。

そしてもう一歩進んでこう言いたい!

隔たりや争いの元凶である
意見・信念・概念・宗教を手放さない限り、
人間同士の不和はなくなりません。



まとめ


活動は全体的になされるべきです。

全体的に為されるとき、その活動があなたの内部に
葛藤をもたらすことはありません。
外の世界に対立を生むことはありません。

様々な問題は同じ一つの木の枝であり
枝を切り取っても根っこを引き抜かなければ
問題は解決しません

根っこを引き抜くためには、
全体的な行動が必要です。

あらゆる問題の根っこが何かを理解して、
枝ではなく、根っこを引き抜くのです。

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☆☆

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真理探究に15年を費やした後あらゆる修行・規律・イデオロギーは不毛であると気づく。以来感覚だけを頼りに思考と感情を刻々と観察しながら自己について学んでいる

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