事実のみと生きる②:現実・事実の違い

2020/07/12

イメージ 概念 葛藤 矛盾 混乱 逃避 関係 苦しみ 悲しみ 思考 理解 洞察 事実

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2日にわたり事実を見つめることの大切さを
お伝えしてきましたが
事実と現実の違いがまだはっきりしない!
という意見をいただいたので
今回は例を挙げて事実と現実の違いを
明らかにしていきます


2日間の記事
現実・事実・真実の違い
現実に基づく行動vs事実に基づく行動




ただここで挙げた例えを
あなたがもっている
他のイメージと同じように
蓄積しないでください

蓄積したものは全て既知のものであり
それが事実を知覚するのを妨げるからです

例を挙げるのは事実と現実の違いを
明確にするためであって
あなたの頭の中を今以上に
知識や概念という霧で
覆うためではありません

では始めます




例1

事実人は暴力的である
現実:非暴力という概念


 暴力的である私たちが
 自らの暴力をどうにかしようと
 非暴力という概念を作り出し
 自らの思考が作り出した概念にも関わらず
 それを必死に追いかける

 暴力的であるという事実にとどまる代わりに
 非暴力という概念に逃避したため
 自らの暴力性を見つめる機会をもたないから
 人はいつまでも暴力性から
 自由になれないでいる

 ・『怒りという暴力』を併せてお読み下さい




例2

事実私は怒りを感じている
現実思考が怒りを抱くことは良くない
   と主張して怒りをコントロールする


 怒りを抱いているということだけが事実であり
 感情の後に働き出す思考の運動は
 事実ではなく現実




例3

事実人生に満足していない 
   苦しみで一杯の生

現実神・救世主・ブラフマン・天国・輪廻転生


 苦しみを感じている私たちの思考が
 神秘的なものがあるはずだと主張し
 神・ブラフマン・天国・輪廻転生
 という概念を作り上げた

 人はいつも事実にとどまらず
 希望を与えてくれる概念に飛びつくが
 事実にとどまっていれば
 自分の苦しみや悲しみを見つめて
 問題を解決することができるものを
 概念を追い求めるが故に
 「真理に到達できない、神に出会えない
  思考から自由になるための瞑想法を探し求める
  グルや様々な宗教団体を渡り歩く」
 という新たな問題をこしらえて
 絶えずストレスを抱え葛藤している

 ・『人はなぜ神を求める?』併せてお読み下さい




例4

事実同僚の性格が悪い
現実同僚の性格の悪さに苛立ち怒りさえ感じる


 同僚が性格が悪いというのが事実であり
 その事実に思考が抗おうとするから
 怒り・苛立ち・痛みを感じる

 相手が性格が悪いという事実にとどまれば
 気分を害することはない

 ・『あるがままに相手を見る
   を併せてお読み下さい




例5

事実雨が降っている
現実:雨で気分が下がる


 雨が降っているということが事実だが
 それによって気分が下がるのは
 私たちの思考の仕業

 「あー服が濡れる、化粧が崩れる
 時間をかけて整えた髪が台無しだ
 洋服がびしょ濡れで最悪」といった具合に




例6

事実私の内部は混乱している
現実真我・アートマン・内在神が
   私の内部に存在する


 混乱している思考から生まれる概念は
 混乱をもたらす

 混乱している思考が
 「内には秩序だった汚れのない部分が
 きっとあるはずだ、内なる神がいるはずだ」
 と主張して真我・内在神という
 概念を作り上げる

 ・『真我は存在しない』を併せてお読み下さい




例7

事実殆どの人は利己的である
現実利他心・奉仕・自己犠牲


 何も奉仕活動が悪いというわけではない

 しかし人は自らの利己心をどうにかしようと
 自己犠牲や他者の為などと言って
 利己とは逆の利他という概念を追いかけ
 社会活動や奉仕活動に夢中になるが
 利己的な自我が活動の背後で
 活発に動き回っていることに
 気づかない人が多い

 自我が存在するかぎり
 利己心は存在し続けることに気づかずに
 奉仕活動に奔走していた
 かつての私のように.....

 ・『自己という仮面』を併せてお読み下さい




例8

事実私は不幸である
現実私は幸せを希求する


 事実は「不幸だ」ということだが
 その事実にとどまり
 なぜ不幸なのかを調べるかわりに
 頭の中にある幸せという概念を
 追い求める

 


このように私たちはいつも事実から
概念という思考がこしらえた現実へと
逃避するのであるがままの事実を
決して見つめることはなく
従って事実~苦しみ・葛藤・不幸~
は存在し続けることになります

しかしあるがままの事実
あるがままの自分がたとえ
見るに堪えないものであっても
辛抱強く事実を注視すると
事実は瞬時に変容するのです

あなたが苦しみにとどまり
それを注視すればその場で
苦しみは霧散します

だから事実にとどまることが大切なのです




今回は事実と現実の例えを挙げましたが
違いは明らかになりましたか?

明らかになったら
今日から事実のみと向き合いましょう

そして苦しみや悲しみのない生
葛藤や暴力、抑制とは無縁の生
混乱や幻想から自由な生を送りましょう


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