
2日にわたり事実を見つめることの大切さを
お伝えしてきましたが
事実と現実の違いがまだはっきりしない!
という意見をいただいたので
今回は例を挙げて事実と現実の違いを
明らかにしていきます
2日間の記事
現実・事実・真実の違い
現実に基づく行動vs事実に基づく行動
ただここで挙げた例えを
あなたがもっている
他のイメージと同じように
蓄積しないでください
蓄積したものは全て既知のものであり
それが事実を知覚するのを妨げるからです
例を挙げるのは事実と現実の違いを
明確にするためであって
あなたの頭の中を今以上に
知識や概念という霧で
覆うためではありません
では始めます
例1
事実:人は暴力的である
現実:非暴力という概念
暴力的である私たちが
自らの暴力をどうにかしようと
非暴力という概念を作り出し
自らの思考が作り出した概念にも関わらず
それを必死に追いかける
暴力的であるという事実にとどまる代わりに
非暴力という概念に逃避したため
自らの暴力性を見つめる機会をもたないから
人はいつまでも暴力性から
自由になれないでいる
・『怒りという暴力』を併せてお読み下さい
例2
事実:私は怒りを感じている
現実:思考が怒りを抱くことは良くない
と主張して怒りをコントロールする
怒りを抱いているということだけが事実であり
感情の後に働き出す思考の運動は
事実ではなく現実
例3
事実:人生に満足していない
苦しみで一杯の生
現実:神・救世主・ブラフマン・天国・輪廻転生
苦しみを感じている私たちの思考が
神秘的なものがあるはずだと主張し
神・ブラフマン・天国・輪廻転生
という概念を作り上げた
人はいつも事実にとどまらず
希望を与えてくれる概念に飛びつくが
事実にとどまっていれば
自分の苦しみや悲しみを見つめて
問題を解決することができるものを
概念を追い求めるが故に
「真理に到達できない、神に出会えない
思考から自由になるための瞑想法を探し求める
グルや様々な宗教団体を渡り歩く」
という新たな問題をこしらえて
絶えずストレスを抱え葛藤している
・『人はなぜ神を求める?』併せてお読み下さい
例4
事実:同僚の性格が悪い
現実:同僚の性格の悪さに苛立ち怒りさえ感じる
同僚が性格が悪いというのが事実であり
その事実に思考が抗おうとするから
怒り・苛立ち・痛みを感じる
相手が性格が悪いという事実にとどまれば
気分を害することはない
・『あるがままに相手を見る』
を併せてお読み下さい
例5
事実:雨が降っている
現実:雨で気分が下がる
雨が降っているということが事実だが
それによって気分が下がるのは
私たちの思考の仕業
「あー服が濡れる、化粧が崩れる
時間をかけて整えた髪が台無しだ
洋服がびしょ濡れで最悪」といった具合に
例6
事実:私の内部は混乱している
現実:真我・アートマン・内在神が
私の内部に存在する
混乱している思考から生まれる概念は
混乱をもたらす
混乱している思考が
「内には秩序だった汚れのない部分が
きっとあるはずだ、内なる神がいるはずだ」
と主張して真我・内在神という
概念を作り上げる
・『真我は存在しない』を併せてお読み下さい
例7
事実:殆どの人は利己的である
現実:利他心・奉仕・自己犠牲
何も奉仕活動が悪いというわけではない
しかし人は自らの利己心をどうにかしようと
自己犠牲や他者の為などと言って
利己とは逆の利他という概念を追いかけ
社会活動や奉仕活動に夢中になるが
利己的な自我が活動の背後で
活発に動き回っていることに
気づかない人が多い
自我が存在するかぎり
利己心は存在し続けることに気づかずに
奉仕活動に奔走していた
かつての私のように.....
・『自己という仮面』を併せてお読み下さい
例8
事実:私は不幸である
現実:私は幸せを希求する
事実は「不幸だ」ということだが
その事実にとどまり
なぜ不幸なのかを調べるかわりに
頭の中にある幸せという概念を
追い求める
このように私たちはいつも事実から
概念という思考がこしらえた現実へと
逃避するのであるがままの事実を
決して見つめることはなく
従って事実~苦しみ・葛藤・不幸~
は存在し続けることになります
しかしあるがままの事実
あるがままの自分がたとえ
見るに堪えないものであっても
辛抱強く事実を注視すると
事実は瞬時に変容するのです
あなたが苦しみにとどまり
それを注視すればその場で
苦しみは霧散します
だから事実にとどまることが大切なのです
今回は事実と現実の例えを挙げましたが
違いは明らかになりましたか?
明らかになったら
今日から事実のみと向き合いましょう
そして苦しみや悲しみのない生
葛藤や暴力、抑制とは無縁の生
混乱や幻想から自由な生を送りましょう
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