安定は不安定の中にある:安定を求めるほど不安定になる

2020/08/14

愛 真理 自由 秩序 気づき 観察 恐怖 孤独 空しさ 思考 生きる 動機 欲望 願望 利己的な私 理解 洞察 事実

t f B! P L






不安定の中に安定はある



綱渡りという不安定な状況にいる
からこそ人は刻々と
微妙なバランスをとりながら
安全に生きることができます

しかし殆どの人は刻々と
バランスをとるかわりに
お金や名声、所有物を
前もってに入れることで
安心しようとします

毎分毎秒バランスをとりながら
<いま>を生きるのではなく
私たちは数十年先の安定を
手に入れようと必死なのです



しかし私たちは...

将来のために貯えるという行為
こそが不安定をもたらしている
ということに気づいてません

安定を手に入れようとする行為
そのものが私たちを不安定に
していることに気づいて
いないのです



お金を貯める、名声を得る
経験や知識や徳を積む
多くのものを所有する...

こういったものは確かに
私たちにある種の安心感を
くれはします

しかしそれは安全を与えては
くれません

安全どころか他者との間に
壁を築いて逆に私たちを
不安定にします



人は安定を求めて自分の周りを
お金や所有物、観念や思想や知識で
ガッチガチに固めます

お金という壁、名声という壁
キャリアという壁
徳という壁を築くことで
プライドは高くなり
自分は特別だ、優れている
という自我の意識が強まります

つまり安定のためにとる行為が
私たちのエゴを太らせ
他者から孤立させるのです

※『私とあなたの間の壁
  を併せてお読み下さい




孤立/利己性のあるところ..



孤立のあるところに
安定はありません

孤立のあるところに
幸せ・平安はありません

大半の人はお金さえあれば
どうにかなると思っていますが
心の奥底にある孤独や空しさが
泣き叫ぶのをお金で止めること
はできないのです



利己性のあるところ、安定はありません

なぜなら利己性のあるところ
必ず分離が存在するからです

いつも言っているように
分離のあるところには
必ず対立が起こるので
争いの絶えないところに
安定などないわけです

※『ナショナリズムという壁
 『ナショナリズムという虚偽
  を併せてお読み下さい



ですから安定を求めようとする心が
あなた自身を不安定にしている
のだということに気づきましょう

そして安定を求める心を
ちゃんと見つめるのです

見つめるとは事実にとどまる
ことです

安定を求める心を
否定するのでも
肯定するのでもなく
その心と共にいます

※『事実にとどまる
  を併せてお読み下さい



このとき何が起こりますか?

否定も肯定もしないとき
あなたの思考は沈黙します

※『沈黙が理解をもたらす』を
  併せてお読み下さい

思考は自我の運動なので
思考が沈黙するということは
自己が不在ということです



あなたは安定を求める自らの心を
見つめているだけなのでそこには
事実に対する知覚だけがあり
自我の動きはありません

事実を都合よく解釈して
何らかの行動を起こそうと
企む自我の動きはないのです

つまりこれまで安定を求めて
忙しくしていた自我はいません

あなたの内部には静寂だけがあります

このように事実を知覚するとき
自我は終焉するのです



この静寂な心であなたは
日々の生活を送ります

安定を求めるのではなく
ただあるがままの事実と
共に生きます



あるがままの事実とは
刻々と変わりゆくものです

それは非常に不安定なものですが
あなたが不安定な事実にとどまって
それを刻々と見つめてそこから
行動を起こすときようやく
安定を得ます

不安定さにとどまることが
安定を手に入れる鍵なのです

※『確実性と不確実性』を
  併せてお読み下さい



不安定さにとどまることが
どうして鍵なのか?

それは...

不安定な状態にあるとき
あなたはあらゆることに
敏感にならざるを得ないからです

移りゆく事実をありのままに
見るためには鋭敏さが必要です

あなたは目覚めていなければなりません

この鋭敏さ・この完全なる注意が
安定をもたらすのです



湯船につかっているときのように
ゆったりくつろいでいたら
刻々と変わりゆく事実を
捉えることはできません

全エネルギーを傾けて
事実を観察しなければ
安定などどこにもありません

あなた目がけて突っ込んでくる車に
気づかなければケガするように
注意深さがあなたを危険から
守るのです



不安定なロープの上を渡るには
完全なる注意が要求されるように
刻々と変わりゆく事実に
全的に気づいていなければ
あなたは一瞬にして
不安定になります

繰り返しになりますが..

不安定な事実にとどまって
それと共に生きるとき
人は安定しています

刻々と変わりゆくものに
適切に応答するときのみ
人は安全なのです



関連記事
事実に直面する
断片(個)から全体へ
安定は既知ではなく未知の中にある
平和を希求しつつ防衛するという矛盾

☆☆

相談を承っております

詳細はこちらをご覧ください
オンライン相談について

このブログを検索

アーカイブ

自己紹介

自分の写真
真理探究に15年を費やした後あらゆる修行・規律・イデオロギーは不毛であると気づく。以来感覚だけを頼りに思考と感情を刻々と観察しながら自己について学んでいる

問い合わせ

名前

メール *

メッセージ *

QooQ