利己的な社会と引きこもり

Ａ　こんな世の中だからひきこもりになってしまう人が
　　出るのも仕方ないですよね？


私　世の潮流である残酷さや腐敗を見てその潮流に乗らない人は
　　自ずと独りになります

　　利己的な社会という大きな流れに殆どの人が乗っているのに
　　自分は乗らないわけですから必然的に孤独を感じます

　　しかしそれは引きこもるということとは違います

　　彼はただ世の中の残酷さや冷酷さに染まらぬよう
　　誠実に生きます

　　世間は引きこもりを病気と見なしますが
　　利己性という病に冒された社会に
　　何の疑問も抱かず適合している人も
　　十分病んでいるのではないでしょうか？

　　ですから病んだ社会に順応できないからといって
　　彼が病んでいるということにはなりません

　　しかし…引きこもりを世の中のせいにするかわりに
　　社会に見てとれる残酷さや冷酷さが自らの内にないか
　　利己性から完全に独立しているかを調べることが大切です

　　自分の内面が真っ黒なのに
　　社会が真っ黒だ！と叫んだところで何も変わりません




Ａ　流れに乗るということは腐敗を是認するということなんですね

　　でも…社会が変わってくれたら皆、幸せに生きられるのに…
　　と思ってしまいます

私　本当にそうでしょうか？
　
　　「社会」と「私たち」は分離しているでしょうか？

　　「社会」と「私たち」は分離してはおらず
　　社会は即あなたであり、社会は即わたし、ではないですか？

　　どういうことかと言うと…

　　あなたや私の内にある欲望や野心、恐怖が
　　様々な形をとって外(社会)に表れているのです

　　ですから最初に変わらなければならないのは
　　社会ではなく私たちなのです

　　多くの人があなたと同じように優しい社会を望みつつ
　　社会の腐敗を是認しその流れに積極的に身を任せて
　　自らの利己性の赴くまま欲望に従って行動しています

　　ここにある矛盾をちゃんと見れているでしょうか？

　　利己性と優しさは共存不可能なのに
　　自らは利己的であることを止めずに
　　社会に優しさを求めるという矛盾を見れていますか？

　　※『優しさと利己性は共存しない』




　　多くの人がこの矛盾に気づいていません

　　ではなぜ気づかないのでしょう？

　　それは殆どの人が社会と自分を切り離して
　　考えるからです

　　切り離しているから腐敗した社会を目の当たりにしても
　　自分にその全責任があるとは思わないのです

　　※『社会の混乱は私の混乱』




　　また自らの利己的な行動が社会に及ぼす影響を
　　理解してないか、あるいは好きなだけ稼ぎたい
　　自由に生きたいから、見て見ぬフリをします

　　これでは社会に対する不満をただ口にするだけで
　　何の解決にもなりません

　　自己本位な行動を通して自ら
　　社会に汚物をまき散らしておきながら
　　腐敗した社会を嘆くとは可笑しな話でしょう？

　　自らの利己性に取り組もうともしないで
　　社会が変わることを望むなんて都合良過ぎませんか？
　
　　ですからあなた自身の心の中にある
　　野心や闘争心、貪欲さをしっかり観察して
　　片づけなければ社会は冷酷で残酷なままだと
　　いうことを理解しましょう

　　このことを理解するとこれからのあなたの
　　全ての行動が変わります

　　あなたの憎しみが世界に蔓延している憎しみであり
　　あなたの競争心が競争的な社会にしていることを
　　見てとると、あなたはそれらを取り除くために
　　自分自身の心に取り組み始めます

　　社会のせいにすることは決してありません

　　なぜならあなたはあなた自身が今の冷たい社会を
　　作った張本人であることを知っているからです

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