美しさは最初からわたしたち人間に
与えられていたのではなかろうか
植物も動物も授かった命のまま、
なんにも付け足さずシンプルに生きている
あるがままの命がもつエネルギーを
そのまま放出しているから、
あんなに美しいのだろう
彼らが蓄積するものはといえば、
せいぜい葉っぱの上に積もる埃くらいなだ
しかしその埃さえも定期的に慈しみの雨に洗い流され
彼らの美しさを一層引き立てる役割を引き受けている
小雨が降るだけで草の緑はずっと濃くなり
美しくなるのだから
だが、人間はどうだろう
何でもかんでも溜め込む機械ではないか
金を、経験を、知識をできるだけたくさん貯めこみ
愛する人までも所有しようとする、傲慢で無慈悲な機械だ
両手はなにかを掴むために常に待機されており
その手が休息を得るのは眠るときだけ
美しさはこうしてお金や経験や知識にとって代わり
人は美しさをずいぶん昔に失った
優しさや思いやりといった美しい性質を
私たちは失ってしまったのだ
動物や自然が無理なくするように
授かった命を輝かせることができない私たち
やることは醜いことばかりだ
これが憐れな人間の為せることよ
命と関わりのないものに心を奪われて
それによって尊い生命は浪費され
ようやく手にしたものは何だろうか
醜さではないのか
己の醜さに何となく気づいていながら
美しさを求めて上っ面を絶え間なく飾り立てる
内部の貧困には耐えられても
外側を豪華に飾り立てることは止められない哀れな人間よ
人間の創り出すものが何であろうと
自然が創造するものより美しいはずもないのにね…
美しさを追い求めることによって
逆に己の醜さを際立たせている我ら人間よ
抗うのはここら辺でもうおしまいにして
己の醜さを認めてしまってはどうだろう
少しは謙虚になって他の生き物たちから
生きるとはどういうことかを学んでみたらどうだろう
彼らが美しいのは何故か、どのように生きているから
あんなに美しいのか、よく観察して学ぼうではないか
いまこそ自然から学ぶときではないだろうか
彼らのように美しく生きてみないかい
一刻ごとに変わる自然のリズムに合わせて
美しく踊ろう
余計なものを全て取り去ったとき
人生の素晴らしさは見えてくるのではなかろうか
だから暮らしから美しくないものを閉め出して
命と関わりのないものとはサヨナラして
欲せずとも授かった生命〈いのち〉と
空・太陽・月・雨・大地と一緒に
美しく生きてみないかい
そうすれば私たちに始めから与えられていた
美しさはきっと開花することだろうよ
何一つ欠けることなく何一つ過分なき自然のように
わたしたちが生きることができればだがな
宇宙の摂理を裏切ることのない秩序正しい自然のように
わたしたち人間が生きることができればだがな...
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