頭の中のおしゃべりに気づくと、思考は一瞬止まります。
しかし直ぐに思考はおしゃべりを再開します。
「もっと他にやるべきことがあるんじゃないか」
「こんなことやる意味ないよ」
「もっと建設的なことをしなきゃ」
「考えなきゃならないことが沢山ある」
「解決すべき問題が山ほどある」
「思考を放棄しようとするなんてお前は愚かだ」
「じっとなんてしてられないよ」
このように思考はもっともらしいことを語ります。
しかしこれこそが思考の本質です。
思考は間〈スペース〉を嫌い、
おしゃべりで埋めようとします。
思考はいつも、あなたを何か/活動に駆り立てます。
そして何かを達成すると、思考は『もっと』を求めます。
立ち止まること、何も考えないでいることに、
思考は耐えられません。
というのは思考は動き回ることで、存在できるからです。
どんなに忙しい人でも、10秒はとれるでしょう?
思考に気づいたとき、10秒だけでも注視できたら、
あなたは10秒〈いま〉に生きることができます。
エレベーターを待ってる間、渋滞に巻き込まれた時、
最悪の事態ばかり考えているときの、
あなたの思考を注視しましょう。
すると頭のおしゃべりは止んで、
現在〈いま〉にとどまることができます。
つまり、エレベーターを待っている間、
どこでランチしようか考えるかわりに..
渋滞に巻き込まれたとき、苛立つかわりに..
最悪の状況を考えて不安になるかわりに..
あなたが今いる場所にとどまるのです。
思考ではなく、現在〈いま〉にとどまるのです。
私たちは先のことを常に考えています。
昼食時に仕事のことを..
帰宅途中には今日見るドラマのこと..
平日に週末のデートのことを..
友達と話しているときに、自分の悩みについて..
身支度をしているときに今日の会議のことを..
歩いているときこれから買う食材のことを..
私たちは現在〈いま〉という時間を、未来を考えることに使います。
そのとき現在〈いま〉は、これからすべきことのための、
準備期間になります。
すると現在〈いま〉より明日が、現在〈いま〉より将来が、
大事になります。
事実より思考が、事実より観念が、
事実より理想が重要になるのです。
エレベーターに乗っているとき、
あなたは降りた後のことを考えていませんか?
それともエレベーターの中にいる間、
あなたの意識はそこにありますか?
身支度をしているとき、その行為を注視しますか?
それとも他のことを考えていますか?
これから会う友達と話すことを考えながら、
身支度していませんか?
先のことを考えることで、あなたは現在〈いま〉を退けます。
肉体は勿論、現在〈いま〉にあるわけですが、
あなたの意識は近い将来に飛んでいるのです。
人が〈いま〉に完全にいることは、滅多にありません。
今やっていることが何であれ、
その行為を注視することは殆どありません。
しかし未来は現在の延長上にあります。
そして現在は過去を内包しています。
ですから未来と過去を内包する、
現在〈いま〉をどう生きるかが、何より大切なのです。
思考が優位になると、現在〈いま〉に生きることはできません。
しかし思考から自由になると、
あなたは〈いま〉に生きることができます。
そして思考から自由になるとパワーが湧いてきます。
というのは思考によるエネルギー消費が抑えられるから..
思考から生じる感情に煩わされなくなるからです。
ですから思考を注視しましょう。
思考の構造や本質を理解すると、
あなたはこれまでのように、
闇雲に思考に従うことはなくなります。
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