利己的な思考を観察する

思考が「今のままではダメだ」
　　　「今のままでは終わらないぞ」と言う

思考が「自分はイケてる」
　　　「僕はダメな人間だ」と自己肯定/自己否定する

思考が「彼にできてどうして自分にできないのか？」と悔しがる

思考が「つかみ取れ、もがけ、一番になれ、成功者になれ」
　　　「誰にも負けないものをひとつでいいから見つけろ」
　　　　と奮い立たせる

思考が「人より賢くなれ、もっと優しくなれ」
　　　「何者かになれ、偉大になれ」とささやく



思考が「崇高な目的の為なら人を傷つけても構わない」
　　　　と背中を押す

　〃　「いい人だけでは生きてはいけない」と言い訳をする

思考が「自分が最優先だ」とピシャリと言う

思考が「葛藤するのが人生だ、悲しみは人生の一部だ」と断言する

思考が「まず自分を愛さないと誰も愛せない」と繰り返す

思考が「この人は自分に何を与えてくれるか」と損得を考える

思考が「目標を持て、理想を持て、夢を持て、信念を持て」
　　　「プライドを持て、志を高く持て、努力しろ」と鞭を打つ

思考が「負けないぞ、あきらめないぞ、相手を蹴落とせ」と叱咤する

思考が「金持ちになれ、金が全てだ、優しさで飯は食えない」と言う

思考が「執着・嫉妬するな、感情を表に出すな」と叱る

思考が「好きだ、嫌いだ」と主張する

　〃　「あの人は品がない、この人は上品だ」と主張する


思考が「彼は真理に到達している、自分は神秘体験をした」
　　　　と主張する
　〃　「私は神だ、私は永遠だ」と主張する
　〃　「永遠なる魂は存在する」と結論に至る
　〃　「真理に到達するぞ」と誓う

思考が「仕事は戦場だ」と言う
思考が「私は日本人だ」と信じて疑わない
　〃　「自分の意見は正しい、論理的だ」と言い張る

思考が語ることは事実ですか？

思考は実に様々なことを語りかけてきますが、
それは事実ですか？

引っ切りなしにあなたに囁きかけてくる言葉は事実ですか？

思考の中身を一つ一つを調べるとそれが思い込みや信念だということ
社会や両親、先生に教わったことだとわかります

思考は事実ではありません。

私たちは疑うことなく思考に耳を傾けていますが、
事実を伝えてくれているわけではない思考に左右されていることに
私たちは気づいていません。

断片的で自己本位な思考

思考は断片的で偏っています。

思考は私たちのこれまでの経験や知識の集大成であり、
その中身は偏りがあって不完全です。

経験も知識も個々の志向によって異なり、
よってどんな人の思考も常に断片的で自己本位です。

服に興味を持っているなら、
わたしは服についての知識があります。

同じようにあなたも自分の好きものについての色々な知識を
もっているでしょう？

このように私たちの知識は
個々の興味の対象によって異なるので
知識は断片的で完全なものはなく、偏りがあります

関連記事：いつも不完全で偏りのある知識

思考を信じて疑わない私たち

このような断片的で自己本位な思考で、
私たちは他人を批判したり褒め讃えたりします。

断片的な思考で、私たちは理想や目標を築きます。

しかし思考に基づくいかなる理想・目標・意見・批判・称賛・
欲望・行為も断片的なので他者のそれと必ずぶつかるのです。

この事実を理解するなら、
あなたが思考の言いなりになることはもうありません。

勉強や仕事のように思考が必要な時だけ働かせ、
それ以外は思考の声に耳を貸さないようにします。

関連記事：思考の役割・役目

思考の働きを理解すると思考は大人しくなる

思考に基づいて行動することの危険を理解すると
思考は静かになります

このときに私たちは、
全体的な行動をとることができるのです

思考があなたの行動を決定している限り、
あなたの行動は断片的で他者との行動とぶつかります。

ですから思考があなたの人生の舵を取らないよう、
自らの思考の中身をよく調べて理解しましょう。

思考の構造を調べるのです。

相手の言動を疑う前に、自分の思考を疑いましょう

思考の限界を理解する時にのみ思考の判断なくして
私たちは物事の真偽を知ることができるのです。

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