質問
相手を論破しようとしてしまう癖を何とかしたいです
どうしても相手の考えがおかしいと思うと
言い争いになり、饒舌に加え口調も鋭くなり
相手がグウの音も出ないくらい
論破してしまいます
そして屈服させた後に後悔します
心理的には自分を認められたいという
感情からくるものだと
個人的には考えていますが
なかなかコントロールできません…
意見は分離・対立をもたらす
まず意見をもつとどうなるのか
理解することが大切です
あなたと私がそれぞれ
確固たる意見をもっていると
私たちは必ずぶつかります
そして対立した者同士が
理解し合うことはありません
つまり意見をもつことで人は
衝突し理解し合えなくなるのです
意見は人と人との間に分離をもたらし
分離するものは必ず対立します
あなたは意見をもつことの危険を
事実として見てとることが
できていますか？
意見を持つことは不毛
人はあらゆることに独自の意見を持っています
しかし私たちが支えとしている
意見の正体とは何でしょう？
意見というのは教育や、属している宗教
両親の考え方などに大きく影響されます
文学や映画のヒーローやヒロイン
歴史上の人物や偉人や賢人が残した
言葉や生き方に大きく左右されます
このように個々人によって
大きく変わる意見はどれも
限定的・部分的であり
それゆえ完璧な意見というものは
存在しません
つまり矛盾や衝突を生むことのない
意見は存在しないのです
意見は分離・衝突をもたらすだけで
持っていてもいいことは
ありません
意見が部分的・限定的である以上
別の意見と必ず対立します
ですから個人の経験や知識に基づいた
独自の意見を大事に携えていても
私たちの人生に争いを生むばかりで
何の役にも立ちません
ですから意見をもつことの危険を
しっかりと見て手放しましょう。
なぜ意見は対立を生むのか？
意見が異なるとなぜ人は、
何故対立するのでしょう？
それは私たちが意見と一体化しているからです
私は自分の意見が正しいと信じているので
それをあなたに否定されると
自分を否定された気分になります
これは私が意見と一体化しているからです
宗教やイデオロギーもそうです
私が仏教に心酔していれば
誰かに仏教をけちょんけちょんに
批判されると傷つきます
仏教と一体化しているから
私はひどく傷つくのです
私＝仏教、私＝意見になっているから
異なる宗教や意見と一体化している
人と対立するのです
意見をもたなければどうなる？
私が意見をもたなければどうなるでしょう？
私があなたと対立することはありません
なぜなら対立をもたらす意見を
落としたからです
分離をもたらす意見を手放すと
あなたと私の間にこれまであった
壁は消滅します
意見が壁だったのです
意見が私たちを分離していたのです
論破はあなたが意見を
持っていないことにはできません
つまり意見を手放すとあなたは
論破できなくなります
代わりにあなたは相手と
対話できるようになります
ある事柄について独自の意見を持たずに
相手と一緒に正しい答えを導き出そう
という気持ちで対話すると
喧嘩になったり対立することはありません
意見に固執しているのは自我
しかし殆どの人は意見を手放しません
意見こそが自分の個性なのだと
言わんばかりにあらゆる事柄について
人は独自の見解を持っています
意見は個性だというのはある意味
本当です
というのは意見は私たちの
自我そのものだからです。
自我には優位に立ちたい、認められたい、
正当性を証明したいという気持ち、
性質があります
あなただけでなく誰の自我もそうです
認められたいという願望、
相手を打ち負かして優位に立とうとする
攻撃性や残虐性は自我の性質の一部です
自我の不断の願望を満たすことで
私たちは快や満足を得るわけですが
自我に支配されたままでは
私たちが攻撃性や残虐性から
そして争いから自由になることは
できません
ですから自我が対立の原因である
という事実をしっかり見てください
すると相手を論破したい
という気持ちが沸き上がるときに
あなたは自我の運動に
気づけるようになります
自我の運動に気づけば
自我の動きはピタリと止むので
相手を打ち負かしたいという
あなたの気持ちもどこかへ
吹っ飛んでしまいます
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