有史以来、私たちは"それ"を探し求めてきたではないか
そして何も見出さなかったではないか
なのに飽きもせず、今も探し求めている
なにか尊いもの、純粋なものが
自分の内部に存在するとでも言わんばかりに
人はそれを真我と言う
人はそれを高次の自己・ハイヤーセルフと言う
人はそれを内なる神と言う
人はそれを永遠なる魂と言う
人はそれを純粋意識と言う
あなたがどう呼ぼうと構わない
だがずっと探し求めてきたではないか、
そして見つからなかったではないか？
なのにあなたはまだ、
"それ"が内部に存在すると信じているのか？
真我のかわりにあなたが内に見出したものは
醜さ、悲しみ、憎しみ、怒り、寂しさ、欲望
ではなかったか！
内部には純粋なものなど何一つ、なかったではないか
あったのは不純物ばかりだったではなかったか
愛しい人よ、どうか素直になっておくれ
あなたが見出したものをそっと私に教えておくれ
あぁ、愛しい人よ、あなたにはそれができない
なぜならあなたは自身の醜さを認めないから
残酷な事実を見る正直さがないから
あなたは事実を語ることができない
キラキラしたもののかわりに見出した
おぞましいものの正体を
私に打ち明けてはくれない
あなたは醜いものをみた自分の目を疑い、
自分の目を殺す
だから2000年前の先人がしたように、
あなたは今も真我を求める
先人らの忠実なしもべとなって、
同じように手足を動かす
そんなだからあるがままにとどまれない
そんなだから事実にとどまれない
そんなだから、愛に触れることがでない
あなたは中古品だ
あなたは過去に染まり、先人に染まり
純粋なんかでは決してない
自分の悲しみや憎しみ、寂しさや欲望、
怒りや嫉妬の声を無視して
心地よい音楽を求めてあなたは彷徨う
困っている人には見向きもしないで、
世界平和を神に祈る人みたいに、
あなたは自らの醜い感情を無視して、
純粋なる真我を内に探している
有史以来、"それ"を探し求めてきたではないか、
そして何も見出さなかったではないか？
なのに私たちは今も昔も催眠にかかったまま
永遠なるものを内に探し求める
事実を直視するより、信じることは容易い
己の醜さを直視するより
純粋さを追い求める方が易しい
しかし事実を直視することなく
崇高なるものに触れることはない
自分を超えたものに出会うことはない
事実を直視することは信じることより
ずっとずっと骨の折れる仕事なのだ
事実を直視するにはとてつもないエネルギー...
とてつもない注意力...とてつもない誠実さが必要だ
これは幻想を追い求める人が
到底持つことのできないもの ...
ありのままの姿を見つめるより、
理想を追い求める方が簡単だ
だからあなたは大きな流れに身を任せる
願望という潮流、信じるという潮流...
観念やイデオロギーという潮流...
聖者や指導者のような権威という潮流へと自らを委ねる
こうしてあなたは見出す力を失う
力を失ったあなたは去勢された犬のよう
そんな者に未知なるものが
発見できるわけもないのに
あなたはできると信じて疑わない
内部に存在しないものを存在すると信じて
今日もあなたは探し続ける
あなたは一度も目覚めることなく
あるがままの現実を直視することなく
自分の全体重を権威に預けて
権威があなたに約束した”それ”、
を探し求めるだけの虚しい一生を終える
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