善に対する希求は善をもたらさない

質問

善人でありたい、あらねばならないという希求があります。
この強い欲求は何に起因しているのだと思われますか？

善を行いたいというのは人間の内側から湧いてくる
ごくごく普通の欲求だと私自身は思うんです。



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善を希求するよう条件付けられていないかを問う

社会が賞賛するものを、あなたは希求していませんか？

善人でありたい、あらねばならないという希求のみならず、
知識を増やすことや才能を磨くこと、成功に対する希求も、
多くの人の中にはあるようです。

社会の価値観に影響される私たちは、意識的にか無意識的にか、
社会が賞賛するものを追い求めるているようです。

なぜ善人でありたいのか？

ところでなぜあなたは善人でありたいのですか？

善人であればいいものを、
なぜ善人でありたいと希求するのでしょう？

善くなろうとせず、善くありましょう！

なりゆこうとせずに、そうあればよいのです。

善い人は善くありたい、あらねばならないとは思いません。
同じように優しい人は優しくなりたいという願望を持ちません。

ですからあなたの希求は、
ご自身が善人でないことの証です。

ありのままの自分を見つめる

希求するのではなく、あなた自身を見つめましょう。

何かになりゆこうとするのではなく、
あなたのありのままの姿を観察しましょう。

善であることを求めるとき、善人になろうとするとき、
あなたはありのままの自分を見つめることができません。

あなたの意識が目指す善にあるとき、
自分自身を注意深く見つめることはできません。

ですからこの事実をみて、
現在のあなたにとどまりましょう。

あなたには善人でありたいという希求があるので、
あなたは善人ではないことがわかりました。

ですから善を希求するのではなく、
善ではないあなた自身を観察するのです。

あなたの内部の善ではないものがなくなれば、
善は自ずと姿を現します。

内部の利己性（闇）はこのようにして観察することでしか、
取り除くことはできないのです。

欲望はどんなものでも欲望

欲望はどんな欲望でも、欲望です。
物欲や成功欲と変わりません。

ですからご自分の欲望を特別視しないでください。
また欲望はあって当前という考えも捨てましょう。

誰もがもってて当然だと思っていたら、
欲望が消えることはないからです。

どのような欲望も自我から生まれます。

そして善になりゆく行為も、自我の動きに他なりません。

この自我の働きが止まないかぎり、善は開花しません。

ですから善でありたいという欲望も、
なりゆこうとする努力も片づけましょう。

片づけるというのは自我の動きを注視するのです。
注視すると自我は消滅します。

欲望の正体、なりゆくものの正体である自我の動きを、
注視すると自我は消え、内部は善で充満します。



希求によって善を手に入れることはできませんが、
内面を注視して善でないものが焼き尽くされると、
善は開花します。

そこに時間は必要ありません。
そこに努力は必要ありません。

ただ自我の動きを注視するだけでよいのです。



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