思考が分離しカテゴライズする

比較・競争好きな私たち

私たちはいつも誰かと比較し、競争します。

年収や経歴、年齢で比較したかと思えば、
外見や持ち物、幸福度で競います。

誰もが成功者・勝ち組になろうと必死です。

そうしてラットレースの空しさに気付くと、
人は内面に興味が向かいます。

しかし内面でもまた、
区別や比較、競争に夢中になるのです。

誰もが力を求めている

社員→主任→係長→課長→部長 etc
のようなピラミッドがあり、
私たちは権力を渇望します。

また精神面においても同じで、
司祭→司教→大司教→枢機卿→教皇というように
精神の成熟度をどう測るのか、
誰が測るのかはわかりませんが、
私たちは力を欲しがります。

力は有害で精神を堕落させる

力の獲得には分離・対立・悲しみが伴います。

精神性が高いとされる僧や聖職者と、
彼らに従う信者や弟子との間に分離があり、
権力をもつ者には精神の堕落が、
教えを乞う者には深い悲しみや
絶望があります。


このように思考が作り出した分離が、
対立や競争を引き起こし、
人間の暴力性や攻撃性という性質は強化され、
嫉妬や悲しみまでもが生まれて、
精神は破壊します。

私たちは外の世界でも内の世界でも、
人と人とを分離し比較し競い合うことで
手にした権力が自分のみならず、
近くにいる者や権力を求める者たちを
堕落させるのです。

比較し競争するのは誰？

このようにあらゆる分野で比較し、
競争するのは誰ですか？

区別し分類するのは誰ですか？

勝ち組と負け組、聖人と凡人
に分けるのは誰ですか？

思考が犯人ではないですか？

物理的・心理的領域のどちらで機能しても、
断片的な思考はさらなる断片を、
もたらしてしまうのです。

バラバラの思考は統合しようと、
試みることしかできません。

思考は始めにバラバラにして、
それから統合を試みます。

世界を沢山の国に分けてから、
平和を希求して、
世界は一つなどと叫ぶのです。

そうです、思考は非常に矛盾した生き物なのです。

争いの根源を自らが作り出しておきながら、
争いをなくそうとするのですから...

このように思考はいつも、
さらなる矛盾をもたらすのです。


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無秩序な思考がもたらすものは無秩序

秩序をもたらすことを、
思考は考えることができるだけで、
思考が秩序をもたらすことはありません。

断片的な性質をもつ思考が、
秩序をもたらすことはできません。

だからこれまで人間が生み出してきたものは、
全て混乱と対立をもたらしているのです。

宗教も国家も政治も経済も思想....
核兵器、本当に何もかも...

思考のあるところ愛はない

 
分離のあるところに、愛はありません。

つまり思考のあるところ、
愛は存在しないのです。

思考の産物である既存宗教が、
どんなに愛を叫んでも、
愛をもたらすことはできません。

愛は思考が静かなときにのみ、
現れるのです。

思考の本質を理解する

私たちは思考の本質を、
理解しなければなりません。

仕事や学業などのように、
必要なところでは思考をフルに活用し、
有害なときには用いないようにします。

思考の構造を理解すれば、
意志によらずとも、
思考はふさわしい場所にとどまります。

思考の構造に対する理解が、
思考を適切な場所へと置くのです。

不要な時に思考が動き出したときでも、
その動きに注意を払うと、
思考は大人しく自分の持ち場へ戻ります。

思考が静止すると秩序は生まれる

思考が静止すると、内部に秩序が生まれます。

内部が変わると、変容は外にも表れます。

つまり行動が秩序正しくなります。

すると対立は生まれません。

なぜなら無秩序な行為は、
行為同士で衝突しますが、
秩序ある行為がぶつかりようがないからです。

思考の構造を理解したあなたは、
もう思考に支配されないわけですから、
思考の作り出したカテゴリーに属することもないので、
階級・比較・競争からも自由になります。

思考が作り出したものを、
追いかけることはなくなります。

こうして思考が大人しくなると、
あらゆる混乱、あらゆる分離、あらゆる比較、
あらゆる競争は終わります。

つまり私たちはこれらのものから
自由になります。

苦しみをもたらす混乱・分離・比較から、
自由になるので、必然的に苦しみからも
自由になるのです。


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