意識・コンシャスネスとは:「あなた」や「わたし」の意識というものはない

2019/05/18

愛 真理 自由 秩序 思考 利己的な私

t f B! P L




筆者:意識にあなたの意識や私の意識というものはありません
   私たちは意識を共有しています

読者:でも実際、私の悲しみとあなたの悲しみは違いますよね?



筆者:表面的な違いではなく悲しみの本質を見てください

   あなたの悲しみは、私の悲しみとは違います
   なぜなら私たちは違うことについて悩み
   悲しみ、苦しんでいるに違いないからです

   しかし世界のどこにいようと、裕福な人も貧しい人も
   悩みや悲しみを抱えて生きているのではないですか?

   文化や伝統、食べ物や着るものは違えど
   悩みや苦しみを抱えて生きているという
   ところは共通していませんか?

   ※『人類全員と意識を共有している



読者:そう言われるとそうですがどうしても
   自分の意識と他者の意識は別個のように感じます

   容姿も違うし得意なことも違うからかな...

筆者:それも一つの要因でしょう
   しかし容姿や才能というのは表面的な違いです

   私たちが他者から独立して存在するように
   感じるのは思考が原因でしょう

読者:どういうことですか?



筆者:物心がついたときから私のオモチャ、私の鉛筆
   私の洋服、と私たちは自他の区別してきました

   自分のもの、他者のものを分けてきた私たちは
   所有物や外見といった表面的な違いだけでなく
   意識も別だと思い込んだのです

   思考は自らの断片的な性質によって
   「わたし」と「あなた」の意識を分けました



読者:あなたは以前、国家も思考の仕業だと言いましたよね?
   断片的な思考が国を作ったのだと

   生まれたときから国家は当たり前にあったものだから
   人は国家間の分離を疑わないのだと...

   もしかしたら自分の分離の感覚も
   肉体以外の分離は存在しないのに
   まるで存在するように感じるのかもしれません



筆者断片的である思考は断片的なもの以外
   生み出すことはできないので分離・混乱・対立の
   元となる国家・思想・宗教を作り出したのです

   安心願望から、人は国家を築きました

   「コミュニティにいれば安全だ」と
   信じる思考が安全であろうとして国家を作ったのです

   しかし実際は国家間の分離が国同士の対立を
   引き起こしたのです

   つまり「コミュニティにいれば安全だ」という思考は
   大きな間違いだったのです



   繰り返しますが分裂した思考が生み出すものは
   必ず混乱・対立・矛盾をもたらします

   その証拠に思考が安心を求めて作った国家は
   安全を保障してはくれませんでした

   国家間の分離は常に、他国から責められる危険
   恐怖を伴うからです

   ※『分離をもたらす安定願望



   同じように私たちは自分と他者を分けます

   自分を守るために行動し、自分の幸せだけを追い求め
   願望という名の思考がここでもせわしなく
   活動しています

   幸せを求めれば求めるほど孤立してしまうことに
   殆どの人は気づいていないのです

   ※『孤立感はエゴからやって来る



   自分を守れば守るほど、安全から遠ざかります

   国を守ろうとして核を作ったのに
   他国から制裁を受けて逆に
   国が不安定になるのと似ています

   自分のことばかり考えることで
   人は寂しさを抱えて生きることになります

   思考が自他を区別したばかりに
   他者との間に分離や対立が生まれたのです

   ※『安定は未知の中にある



   また、人は自分のためならどんなことでも行います

   私たちは物理的にだけでなく精神的にも
   別々だと思っているので他人に酷いことを
   しても何とも感じません

   思考が区別したばかりに人は思いやりを失ったのです

   ※『思考が思いやりを破壊する



読者:そう言われても事実をしっかりと見れません

   というより見たくないのかもしれません

   だって必死に努力したから今の地位を
   手に入れることができたのです

   だから安定した収入も得ているし
   そのお陰で好きなこともできます

   だから利己心が寂しさや孤立感の原因だとしても
   今の安定を私は手放したくないのです



筆者:これこそ今、世界で起こっていることです

   それぞれがそれぞれの願望に夢中です
   それぞれがそれぞれの快適さを必死に守っています

   その快適さは収入だったり、権力だったりと
   人によって違いますが、みんな己を守っています

   自分の家族、自分のコミュニティ、自分の属する宗教
   自分の会社、自分の愛する国家を守ることに
   みんな必死なのです

   このような利己性があなたの円からはみ出す人を
   閉め出します

   あなたの利己心が円の外にいる人たちに対する
   優しさや思いやりという心の美しい性質を殺すのです

   



   あなたは円の中にいる人を守るのに必死で
   それ以外の人には無関心になります

   関心が特定の方向に向かうとき、他は無視されるのです

   それは自国を守ることに必死で
   他国の苦しみにはまるで無関心な政治家のようです



   生きるためには衣食住が必要です

   今の社会では残念ながら
   自分たちでそれらを確保しなければなりません

   しかし必要以上を求めると他者との間に
   分離が生じることを忘れないでください

   妬みや憎しみといった感情が世界を
   支配することを忘れないでください

   私の欲求、私の野心、私の夢、私の理想、私の成功...

   「わたし」から動くときいつもそこには
   分離・争い・悲しみがあるということを忘れないで!

   ※『利己性とエネルギー
    『利己性が悲しみと孤独の原因



読者:必要なものを得るために働けばいい

   ただそこに貪欲さを乗っけるな
   「わたし」を持ち込むな、ということですね?
   
筆者:はい....私たちはみんなで意識を共有している
   ことを理解しなければなりません

   意識とは感情や思考、知覚のことですから
   みんなでこれらを共有しています

   「わたし」と「あなた」という分離の幻想を見抜いてください

   ※『意識について』 ・ 『分離という虚妄
    


   このことを本当に心から理解するとき
   あなたの行動は変わります

   これまでの行為がいかに利己的だったかに気づくと
   細心の注意を払うようになります

   人への接し方や想いも変わります



   生きることは関わり合うことです

   私たちは他者と関わって生きています
   動物や自然と関わっています

   しかし『わたし』という中心から動くとき
   あなたは誰とも関われません

   『わたし』から動いてできる関係は利己的であり
   単なる損得関係・市場取引でしかないからです
   
   それは関わることではありません



   私たちの関わり合い方に変化が起こらなければ
   世界の争いは止まりません

   私たちから利己心が取り除かれないかぎり
   戦争という名の利己性はなくなりようがないし
   世界は氷のように冷たいままです

   ※『自我(エゴ)はこうすると止む
    『利己性を一掃すると世界は変わる



読者:科学技術の発展は思考によるところが大きいですが
   同時にそれは核兵器を生み出し多くの人を殺し
   環境破壊をもたらしていますよね

筆者:そうですね

   私たちの内側が分裂して断片的であるかぎり
   知識は害になります

   それを操る人の心が利己的で混乱していたら
   科学が人類を破壊してしまうことにもなりかねません

   だからこそ私たち1人1人の内部の変容が不可欠なのです

   全体主義や共産主義のように
   外側から人為的に秩序を築こうとしてもダメです

   己の心の混乱を見て取り除かなければ
   秩序は心にも世界にも生まれません

   私たちが気にかけてばかりいる「わたし」に
   光をあててその正体をはっきりさせなければ
   自己中心性はなくなりません

   関連記事
   無秩序で混乱している意識
   変わりたいのに変われない理由は利己性にある
   利己的な人間関係を見つめてその薄っぺらさを暴く

   ☆☆

   相談を承っております

   詳細はこちらをご覧ください
   →オンライン相談について

このブログを検索

自己紹介

自分の写真
真理探究に15年を費やした後あらゆる修行・規律・イデオロギーは不毛であると気づく。以来感覚だけを頼りに思考と感情を刻々と観察しながら自己について学んでいる

問い合わせ

名前

メール *

メッセージ *

QooQ