筆者: 私たちの内部に二元性が存在しないことについては、
理解できましたか?
質問者: それについてなんですがどうしても、
二元性は存在するように感じるのです。
抱いている感情とは別の僕が独立して存在し、
理性で感情をコントロールできると...
僕が嫉妬を感じるとします。
そこにはそれを客観的に見つめる僕がいて、
その僕が嫉妬をコントロールできると..
筆者: あなたはあなたが感じている、
嫉妬そのものではありませんか?
あなたはあなたの名前であり、
肉体であり嫉妬であり、
怒りであり喜びではありませんか?
感情とあなたをどのようにしたら、
切り離せるのでしょう?
質問者: しかし僕らはそう教わりませんでした。
「怒りに負けるな、支配されるな、
感情は理性で抑えろ」
こう教えられてきたので、
感情をコントロールできると思っています。
筆者: 仰る通り、私たちは条件付けられてきました。
脳は長い間、条件づけられています。
感情を制御できる自分がいて、その自分が解決すると....
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しかしよく観察してください。
あなたは感情そのものではないですか?
嫉妬しているとき、
嫉妬という性質とあなたは別個の存在ですか?
怒っているときあなたは、
怒りの性質と別々に存在していますか?
同じ性質のものがどのようにして、
違うものに変えることができるのでしょう?
自分が自分の性質と別だと信じていれば、
性質を変えようとすることができます。
しかし自分が即性質であるとき、
性質が性質を変えようしても、同じ性質にとどまります。
性質が自分であることがわかれば、
変えようとすることに意味はありません。
質問者: そう言われるとそうなんですが、
感情はコントロールできるものだと、
信じてきたので簡単には受け入れられません。
筆者: 何も受け入れる必要はありません。
事実を観察すればよいのです。
事実をあるがままに観察するとき、
理解は生まれます。
受け入れることと理解は違います。
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質問者: もう一度確認させてください。
私は嫉妬しています。
嫉妬を感じるとき、嫉妬という性質は私です。
内部に二元性がないことはわかりましたが
「だから」という感じがしてなりません。
僕らは感情をどうすることもできないのですか?
怒りを感じたら、怒りに支配されるしかないのですか?
嫉妬という醜い感情は、
どうすることもできないのですか?
筆者: 待って下さい。慎重に進みましょう。
あなたは自分が嫉妬という性質と、
別々の存在ではないことを理解しました。
いま、あなたの内部に二元性はありません。
内部に二元性があると思っていたとき、
あなたは嫉妬をどうにかしようと、
働きかけることができました。
つまり内部の二元性が対立をもたらし、
あなたは葛藤で苦しでいました。
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質問者: そうですね、
嫉妬を抑制しようとして上手くいかないと、
イライラしたり落ち込んだりなんかして、
嫉妬と闘っていました。
筆者: そこには嫉妬をどうにかできるあなたがいました。
「あなた」と「嫉妬」という二元性が存在し、
分離がありました。
分離があるところには必ず葛藤・衝突が起こるので、
卑下したり嫉妬と闘ったり逃避したりして、
あなたはエネルギーを浪費していました。
この行為の全てがムダだということが、理解できますか?
そもそも二元性は存在しないので、
葛藤の原因であった分離は存在しません。
嫉妬をどうすることもできないことが、
今のあなたには理解できます。
内部の二元性の虚偽を理解したあなたは、
抑制や逃避にエネルギーを使いしません。
このときあなたにはエネルギーがあります。
あなたは自分に鞭打ったりして、
疲弊困憊してはいません。
このエネルギーでもって、
嫉妬そのものである自分自身を観察します。
嫉妬に、全注意を向けます。
二元性の虚偽を見る前は、
嫉妬を観察できませんでした。
抑制したり何かに逃避したり、
自己啓発本を読むことに忙しくて、
嫉妬に向き合いませんでした。
しかし今は違います。
脳は高エネルギー状態にあります。
葛藤で苦しんでいない脳は、疲弊していません。
高エネルギー状態にある脳は、
観察するものを即座に理解します。
目覚めた脳が嫉妬を観察し、観察が洞察をもたらし、
嫉妬を焼き尽くします。
質問者: なんだか急に、難しくなりました。
無駄に使われなくなったエネルギーが、
今の僕にあることはわかります。
そのエネルギーで嫉妬を観察するのですね?
筆者: はい、これまでは観察する余力さえ、
残っていませんでした。
自分でどうにかするのだと、
必死に”何かしていた”からです。
質問者: そのエネルギーで嫉妬の構造を観察すると、
洞察が生まれるのですね?
筆者: はい、あなたは危険な場所には、
近づかないでしょう?
嫉妬の構造を観察してその危険を理解すると、
あなたは嫉妬から離れます。
質問者: 嫉妬を抱くことの危険とは?
筆者: あなたは相手に執着します。
相手に依存します。
相手に執着・依存することで、
相手が自分から離れてしまうのではないか、
という不安や恐れを抱きます。
そして相手に好きな人ができると、
敵対心や憎しみ・悲しみを、
感じるようになります。
質問者: 確かによいことはありませんね。
危険は理解できましたが、
危険を理解することが洞察なのですか?
筆者: 危険を理解したらその瞬間に行動が起こります。
危険を見た瞬間、その場を離れることが、
洞察から生まれる行為です。
高エネルギー状態にある脳は、
嫉妬の構造を観察し洞察します。
嫉妬の本質を見抜くとあなたは変容します。
質問者: 嫉妬の本質を瞬時に悟って、
嫉妬から離れる、ですね?
筆者: はい。それは時間を要しません。
嫉妬の構造を観察してその本質を洞察した瞬間、
変容は起こります。
そこになりゆく時間は存在しません。
質問者: どういうことですか?
筆者: 嫉妬から自由になるためには、
時間が必要だと多くの人が思っていますが、
徐々に嫉妬心から自由になるというような、
心理的時間はありません。
質問者: 嫉妬があるかないか、ということですね。
中間はないということですね?
筆者: はい、嫉妬があるときそれはあるのです。
「50%の嫉妬を克服した」などと言うことはできません。
50%あるなら嫉妬があるるのですから
嫉妬があるかないか、それだけです。
精神的になりゆく時間は存在しません。
怒りから徐々に自由になることは、ありません。
怒りはあるかないか、です。
そしてその怒りをあなたが見るか見ないか、
ただそれだけなのです。
見たなら怒りは消え、見なければ怒りは消えません。
つまり、観察が怒りを焼き尽くすのです。
そこに時間の介入はなく、
即座に起こるか起こらないか、ただそれだけです。
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