不毛な努力・不毛なコントロール

2019/05/20

葛藤 矛盾 混乱 逃避 気づき 観察 実践 理解 洞察 事実

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筆者:  私たちの内部に二元性が存在しないことについては、
     理解できましたか?

質問者: それについてなんですがどうしても、
     二元性は存在するように感じるのです。

     抱いている感情とは別の僕が独立して存在し、
     理性で感情をコントロールできると...
  
     僕が嫉妬を感じるとします。
     そこにはそれを客観的に見つめる僕がいて、
     その僕が嫉妬をコントロールできると..



筆者:  あなたはあなたが感じている、
     嫉妬そのものではありませんか?

     あなたはあなたの名前であり、
     肉体であり嫉妬であり、
     怒りであり喜びではありませんか? 

     感情とあなたをどのようにしたら、
     切り離せるのでしょう?

質問者: しかし僕らはそう教わりませんでした。

    「怒りに負けるな、支配されるな、
     感情は理性で抑えろ」
     こう教えられてきたので、
     感情をコントロールできると思っています。



筆者:  仰る通り、私たちは条件付けられてきました。

     脳は長い間、条件づけられています。

     感情を制御できる自分がいて、その自分が解決すると....


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     しかしよく観察してください。

     あなたは感情そのものではないですか?

     嫉妬しているとき、
     嫉妬という性質とあなたは別個の存在ですか?

     怒っているときあなたは、
     怒りの性質と別々に存在していますか?
  
     同じ性質のものがどのようにして、
     違うものに変えることができるのでしょう?

     
     自分が自分の性質と別だと信じていれば、
     性質を変えようとすることができます。

     しかし自分が即性質であるとき、
     性質が性質を変えようしても、同じ性質にとどまります。


     性質が自分であることがわかれば、
     変えようとすることに意味はありません。





質問者: そう言われるとそうなんですが、
     感情はコントロールできるものだと、
     信じてきたので簡単には受け入れられません。

筆者:  何も受け入れる必要はありません。
     事実を観察すればよいのです。

     事実をあるがままに観察するとき、
     理解は生まれます。

     受け入れることと理解は違います。


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質問者: もう一度確認させてください。
     私は嫉妬しています。
     嫉妬を感じるとき、嫉妬という性質は私です。

     内部に二元性がないことはわかりましたが
     「だから」という感じがしてなりません。

     僕らは感情をどうすることもできないのですか?

     怒りを感じたら、怒りに支配されるしかないのですか?
      
     嫉妬という醜い感情は、
     どうすることもできないのですか?



筆者:  待って下さい。慎重に進みましょう。

     あなたは自分が嫉妬という性質と、
     別々の存在ではないことを理解しました。

     いま、あなたの内部に二元性はありません。

     内部に二元性があると思っていたとき、
     あなたは嫉妬をどうにかしようと、
     働きかけることができました

     つまり内部の二元性が対立をもたらし、
     あなたは葛藤で苦しでいました。


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質問者: そうですね、
     嫉妬を抑制しようとして上手くいかないと、
     イライラしたり落ち込んだりなんかして、
     嫉妬と闘っていました。

筆者:  そこには嫉妬をどうにかできるあなたがいました

     「あなた」と「嫉妬」という二元性が存在し、
     分離がありました。

     分離があるところには必ず葛藤・衝突が起こるので、
     卑下したり嫉妬と闘ったり逃避したりして、
     あなたはエネルギーを浪費していました。
      
     この行為の全てがムダだということが、理解できますか?

     そもそも二元性は存在しないので、
     葛藤の原因であった分離は存在しません。

     嫉妬をどうすることもできないことが、
     今のあなたには理解できます。

     内部の二元性の虚偽を理解したあなたは、
     抑制や逃避にエネルギーを使いしません。

     このときあなたにはエネルギーがあります。

     あなたは自分に鞭打ったりして、
     疲弊困憊してはいません。

     このエネルギーでもって、
     嫉妬そのものである自分自身を観察します。

     嫉妬に、全注意を向けます。
    
     二元性の虚偽を見る前は、
     嫉妬を観察できませんでした。

     抑制したり何かに逃避したり、
     自己啓発本を読むことに忙しくて、
     嫉妬に向き合いませんでした。

     しかし今は違います。
      
     脳は高エネルギー状態にあります。
     葛藤で苦しんでいない脳は、疲弊していません。

     高エネルギー状態にある脳は、
     観察するものを即座に理解します。

     目覚めた脳が嫉妬を観察し、観察が洞察をもたらし、
     嫉妬を焼き尽くします。




質問者: なんだか急に、難しくなりました。
     無駄に使われなくなったエネルギーが、
     今の僕にあることはわかります。

     そのエネルギーで嫉妬を観察するのですね?

筆者:  はい、これまでは観察する余力さえ、
     残っていませんでした。

     自分でどうにかするのだと、
     必死に”何かしていた”からです。

質問者: そのエネルギーで嫉妬の構造を観察すると、
     洞察が生まれるのですね?

筆者:  はい、あなたは危険な場所には、
     近づかないでしょう? 
     
     嫉妬の構造を観察してその危険を理解すると、
     あなたは嫉妬から離れます。

     




質問者: 嫉妬を抱くことの危険とは?

筆者:  あなたは相手に執着します。
     相手に依存します。

     相手に執着・依存することで、
     相手が自分から離れてしまうのではないか、
     という不安や恐れを抱きます。

     そして相手に好きな人ができると、
     敵対心や憎しみ・悲しみを、
     感じるようになります。




質問者: 確かによいことはありませんね。
     危険は理解できましたが、
     危険を理解することが洞察なのですか?

筆者:  危険を理解したらその瞬間に行動が起こります。

     危険を見た瞬間、その場を離れることが、
     洞察から生まれる行為です。

     高エネルギー状態にある脳は、
     嫉妬の構造を観察し洞察します。

     嫉妬の本質を見抜くとあなたは変容します。




質問者: 嫉妬の本質を瞬時に悟って、
     嫉妬から離れる、ですね?


筆者:  はい。それは時間を要しません。

     嫉妬の構造を観察してその本質を洞察した瞬間、
     変容は起こります。

     そこになりゆく時間は存在しません。
     



質問者: どういうことですか?

筆者:  嫉妬から自由になるためには、
     時間が必要だと多くの人が思っていますが、
     徐々に嫉妬心から自由になるというような、
     心理的時間はありません。

質問者: 嫉妬があるかないか、ということですね。

     中間はないということですね?

筆者:  はい、嫉妬があるときそれはあるのです。
    
     「50%の嫉妬を克服した」などと言うことはできません。

     50%あるなら嫉妬があるるのですから

     嫉妬があるかないか、それだけです。

     精神的になりゆく時間は存在しません。

     怒りから徐々に自由になることは、ありません。

     怒りはあるかないか、です。

     そしてその怒りをあなたが見るか見ないか、
     ただそれだけなのです

     見たなら怒りは消え、見なければ怒りは消えません。

     つまり、観察が怒りを焼き尽くすのです。

     そこに時間の介入はなく、
     即座に起こるか起こらないか、ただそれだけです。



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真理探究に15年を費やした後あらゆる修行・規律・イデオロギーは不毛であると気づく。以来感覚だけを頼りに思考と感情を刻々と観察しながら自己について学んでいる

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