執着からの自由：執着があるから苦しみがある

質問

愛別離苦の苦しみも怨憎会苦の苦しみも、
執着というものがそこにあるが故の、
苦しみだと言えるのでしょうか。

無執着というものを目指して修行している人が、
多いのだと思いますがもしそれが完成したなら、
愛別離苦からも怨憎会苦からも解放されるのでしょうか？




　　　　　　　＝＝＝＝

苦しみの背後には執着する自分がいる

愛する人と別れる苦しみも、
憎むことから生じる苦しみも、
特定の人に執着していることが原因です。

愛は苦しみとは無縁ですが、
愛する人なしでは生きられないほどに、
相手に依存し執着すると、
別れるときには堪え難い苦しみを味わいます。

また相手に執着していなければ、
憎しみは生じません。

相手がたちが悪い人だとしても、
それが彼の自然な姿なのだから、
関わらなければいいものを、
憎しみを抱いてしまうというのは、
相手に囚われている証拠です。

苦しみの背後には必ず執着する自分がいるのです。

無執着の実践

無執着を実践すれば、
執着から自由になれますか？

無執着というのは非暴力と同じで、
単なる概念ではありませんか？

私たちは追い求めるものの性質に近づいていきます。

お金やものを追い求めると、
私たちは物質的になっていきますし、
概念を追い求めると、
概念のように血の通わない、
冷たい人になってゆきます。

概念に逃避せず事実を見つめよう

執着している自分というのが事実であるのに、
事実から離れて概念を追い求めても、
私は執着から自由にはなれません。

執着から自由になるのは.....

執着している自分（事実）にとどまり、
ありのままの私の姿を見つめるときです。

ありのままの私を見つめることで、
ありのままの姿は白日の下に晒され、
執着という闇は消えて、苦しみも消えます。

鏡を見る人なら目やにがついたまま出かけないように、
ありのままの自分の姿を捉えた人は、
自分の姿を目にした瞬間変容します。




少しでも役に立てたならクリックお願いします。



関連記事
観察すると根本的に変容する
依存・執着はこうして手放す
執着することの危険を理解して手放す