ハンガリー出身の映画監督に
タルベーラさんという方がいます
お正月、彼のインタビュー動画を
色々と見たのですが
共感する部分が非常に多くて
驚きました!
彼の全作品のテーマは
人間の尊厳だそうで
彼の言葉からも作品からも
生きることを真剣に
考えている人だとわかります
言葉の一つ一つに重みがあり
彼の人間性や魅力が画面から
溢れ出ています
彼は粗い言葉も使いますが
その言葉でさえ
事実を歪曲することなく
見つめようとする
彼の誠実さが見て取れ
反逆精神、アウトサイダー的な
感じがとてもいい!
彼の言葉をざっと並べてみます
・俳優を外見ではなく
人間性でキャスティング
・俳優には演技をさせない
そこにただいるよう指示する
・良い作品を作るには
反逆精神と自由が必要
・事実を理解する繊細さのない人が
作る作品に価値はない
・実生活に無関係な
クソ(shit)のような
映画にはうんざりだ
・世界なんかクソ食らえ
(fuck the world)
・社会の期待を気にかけるな
価値観に囚われるな
・自分が見ている現実を
人々に見せる為に
映画を作っている
・私は物語には全く興味はない、
関心があるのは人々の
リアルな生活、感情、表情だ
どのように人々が生きているか
に興味がある
・支配者・権力者に向かって..
「人間の尊厳に触れるな
屈辱を与えるな、破壊するな」
・動物以下の残虐な行為は
止まねばならない
・観客に向かって
「あなた達の心を動かしたい、
あなた達を巻き込みたい
あなた達の心に触れたい」
日本ではよく復讐劇のような
作品が流行りますが
復讐することの残虐性や危険を
人々に伝える作品であれば
流行るのも結構ですが
流行っている理由が問題です
制作者側の意図は
人間の醜い部分に対する警鐘ではなく
やられたらやりかえす主人公を
ヒーロー扱いして
復讐を後押しするような作品..
悪賢くても憎めないキャラを
あえて設定して人間の利己性を
正当化する作品を次から次へと制作し
利己性を奨励するわけですが
それが視聴者に受けるのですから
制作側のみならず
視聴者の精神性が問われます
現代社会に警鐘を鳴らす作品を
撮るかわりに、社会が奨励する
利己性・競争心・野心を讃える
作品ばかりが量産される現状に
タルベーラ監督ではありませんが
私もウンザリしています
視聴者の反応が
冷酷で利己的な社会を
浮き彫りにしていますが
自分自身の生き方や
残酷さを問うことなく
人間の残酷な部分を
面白可笑しく見せようとしてくる
制作者側のもくろみ通りに
大笑いしている自分たちの
愚かさや鈍感さに私たちは
気づいているのでしょうか?
現代社会に警鐘を鳴らすような作品、
非日常ではなく現実を突きつけてくる
作品、挑戦してくるような作品を
多く
見てみたいものです
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